審査風景その3 (第2回維持審査)
★ 第2回維持審査質問事項 | |
第2回維持審査質問事項 2002年1月29日AM 9:00より 参加者:社長、管理責任者、田無店長、品川店長代理、業務担当者 平塚店 まず始めに第1回維持審査で出された是正処置要求書についての質問からスタートしました。 第1回維持審査において是正処置要求はありませんでした。 |
審査員: | 名刺交換をさせていただきます。 |
A: | 全員の名刺交換をする。 |
審査員: | 名刺には西東京営業所になっていますが品質マニュアルでは田無店と表記されています。店なのか営業所なのかハッキリしたほうがいいですよ。 |
A: | 昨年田無市が西東京市と名称が変更になりましたので。 |
審査員: | わかりました。どちらかを直したほうが良いと思います。 |
審査員: | まず最初にJABのロゴマークの使い方についてですが、JABマークは使用していますか。 |
A: | 使用しています。 |
審査員: | それはどのように使っていますか。 |
A: | 当社では、名刺、封筒、ホームページで使用しています。 |
審査員: | まずは封筒を見せてください。問題ないですね。 |
審査員: | それではホームページを見せてください。 |
A: | ホームページを見せる。 |
審査員: | ホームページのトップページを見て、認証マークの使い方には問題は無いのですが、御社の品質マニュアルのスコープには「複写、製本、マイクロ、デジタル設計」となっていて、スコープの対象外のHP作成が入っています。スコープ対象外のものと、対象範囲のものの識別をしないとホームページを見られる方に誤解をあたえてしまいます。認証マークの下にスコープを記載してください。 |
A: | わかりました。 |
審査員: | JABのロゴを使用するときやUKASのロゴを使用するときの規定がありますから、守ってください。 |
A: | わかりました。 |
審査員: | 文書管理台帳を見せてください。 |
A: | 外部文書管理台帳を示す。 |
審査員: | 内部文書の台帳を見せてください。 |
A: | 社内文書管理一覧表を示す。 |
審査員: | これでは最新版であるかどうかわかりませんね。識別がされていない。 |
A: | 社内文書の一つを示して、履歴は文書中の改訂履歴にAから逐次残し、最新版の状態を明らかにしています。 |
審査員: | Aが最初だと誰がわかるのですか。 |
A: | わかります。マニュアルにも書いてあります。 |
審査員: | あなた品川店長だと、誰が証明するのですか。 |
A: | 一同沈黙。突然何を言っているのかわからない。私が品川店長だと全員が知っておりますよ。 |
審査員: | それを、誰が証明するのですか。 |
A: | 言っていいる意味がわかりません。図面などの場合Rv2とか日付け、サインなどでわかりますよ。 |
審査員: | わかりやすく言うと。................................何々。 |
A: | 審査員の行っている意味はわかりません。しかし当社ではこのやり方で充分わかります。一般的に当社の方法が特別ではありません。 |
審査員: | それならそれでいいですよ。(かなり感情的で投げやりな言い方) |
A: | そんな言い方ないでしょう。(私も一寸感情的になる。反省する。) |
この件はこれで終了 | |
審査員: | 文書の改訂、発行、廃止等はありますか。 |
A: | 作業手順書の改訂がありました。 |
審査員: | それではその教育訓練がなされた実施報告書を見せてください。 |
A: | 作業手順書の改訂における教育訓練実施報告書を見せる。 |
審査員: | きちんとしておりますね。顧客苦情について何かあれば見せてください |
A: | 3店で7件のクレームがありました。 |
審査員: | 全て是正を行っておりますか。 |
A: | はい。 |
審査員: | 是正処置は全て終わっていますか。 |
A: | 終わっています。 |
審査員: | それでは不適合を処置した記録を見せてください。 |
A: | 不適合品対策書を見せる。 |
審査員: | 是正とはどんな意味ですか。 |
A: | 不適合に対しての原因追求と再発防止です。 |
審査員: | でも、クレームに対しての対策、予防が薄いですね。先ほど、店長さんは顧客クレームが一番大事だとおっしゃておりましたが、これでは本質的な問題解決にはならないですよ。だから、教育訓練が大事なんです。クレームを考えるときに後から問題を追っていくほうが問題を明確にすることが出来るのです。クレームの処置も、御社の判断基準、検査の記録を明確にして、どういうシステムを持てば、クレームを出さずに済むかを考えてください。ISO2000年版では、クレームに対して是正を行うか否かの見極めをしなければなりません。それと、検査手順書の中に契約内容確認書類及び社内・外注作業指示票となっているが「及び」は両方共であり「又」ではないですか。日本語は難しいですよね。 管理責任者として何かしていますか。 |
A: | 品質管理月報を作成しています。 |
審査員: | そのほかに何かありますか。 |
A: | いいえ。 |
審査員: | 何ゆえその様なことを聞いたかと申しますと、責任と権限が明確になっているかを確認するためです。管理責任者としては内部監査等を行なってはならないですものね。内部監査の実施記録を見せてください。 |
A: | 内部品質監査実施計画書及び不適合報告書を見せる。 |
審査員: | 不適合0ですか。それはすごいですね。でも全店実施しているにもかかわらず、監査員が2人で実施しているが、もうちょっと監査の人員を増やして違う視点からも監査できるようにした方がいいですね。 |
A: | 全店と言っても3店ですから2人で少ないとは思いませんが。 |
審査員: | 次にマネジメントレビューを見せてください。これはどのような仕組みで行なわれておりますか。 |
A: | 管理責任者による品質管理月報の報告、店長より不適合品対策書、内部監査の不適合報告書の情報に基づいて行なっております。 |
審査員: | それでは直近の品質管理月報を見せてください。この報告書のコメントにはクレームの減少とありますが、これで数字が減少しているといえますか。統計的手法を用いてグラフにしていますか。 |
A: | いいえ。 |
審査員: | グラフ等を作成した方がもっとわかりやすいですよ。 |
審査員: | デジタル設計の流れを教えてください。 |
A: | デジタルファイリング設計基準書より、顧客の要求(設計インプット)、製品着想、概略設計、詳細設計、仕様書の作成(設計アウトプット)を説明。 |
審査員: | 御社の設計の意図する製品は何ですか。 |
A: | .................................? |
審査員: | デジタルだとソフトウェアーにも気を使われていますよね。それではPDFのアクロバットリーダーのバージョンは今いくつですか。 |
A: | えーと5ですかね。 |
審査員: | 5.5です。設計の認定者は誰ですか。設計の有資格者の認定記録を見せてください。この移行特例認定とは何ですか。 |
A: | ISOシステムがスタートする以前にデジタル設計の技術を有しており、新たに教育訓練を必要としない者に対する特例の認定です。 |
審査員: | わざわざ、この様な認定リストを作成せずとも御社では、社内業務を1年以上経験した者と規定しているのであれば、経験年数を記載した方が良いですよ。皆さん充分経験をお持ちなのですから。 設計計画書を見せてください。あれ、設計の審査計画は計画書に含まれるものなのに審査計画の承認された日が別々ですね。計画の段階でアウトプットもふくめなくてはならないですよ。 |
A: | 設計審査計画・記録書の印は確認印です。当然全記録が終わってからの確認印ですから日が別々であるのは当然です。計画の承認印ではありません。設計審査計画・記録書のチェック項目に計画した日の日付け印を押して明確にした方が良いとのご指摘は、設計指示書に明確にしてあるのでその必要は無いと思います。 |
審査員: | 計画は全て設計計画段階で承認されなくてはなりません。全ては、顧客要求を満たしているものを提供しているかどうかが大事なのです。 以上で平塚店での審査が終了し、午後から品川店へ移転して行ないます。 |
12:00より昼食 以後品川へ移動 | |
審査員: | まず不適合品対策書(顧客苦情)について件数、処置、について教えてください。先ほど平塚店での品質管理月報には8件となっておりましたが。 (この8件は平塚店において計算違いがわかる。)品川店におりて電話で確認する。 クレームノートを見せてください。それを処置した不適合品対策書を見せてください。 |
A: | クレームノート、不適合品対策書を見せる。 |
審査員: | クレームノートに記載されていないクレームが不適合対策書で処置されていますが。御社のクレーム処置の手順を教えてください。 |
A: | クレームノートの基づいて不適合品対策書を記載します。 |
審査員: | 12月22日の不適合品対策書に該当するクレームノートがありません。今説明された手順との整合性が合いません。これはちょっとまずいですね。 |
A: | これは完全にクレームノートの記載もれです。 |
審査員: | クレームノートの処置欄に廃棄とありますが、廃棄はありえないですね。廃棄=契約無効と言うことですが。顧客による処置はクレームになります。御社で気がついて処置しようとすると、廃棄はありえなくて、手直しが処置として整合性があります。 それとこの、特別採用というものは、社内で不適合を発見し、それでお客様の了承を受け、採用されたものを言います。特別採用申請書には、いつ(日、時)誰が(客先名)を記載してください。そして本来の原因追求を行なうことが必要です。 ホチキス止めを行なう際の針の長さの基準はありますか。 |
A: | ありません。 |
審査員: | 全員が同じ基準で仕事が出来るか重要ですので手順書を作成した方がよいのでは。 作業手順書に包装の手順がありますがビル内の配達なのに、この様な包装が必要なのですか。 |
A: | ほとんど行なわれておりませんが多少あります。 |
審査員: | それでしたら、多いケース(包装しない)を基準として、包装が必要な場合は、伝票にでも包装の必要な旨を記すようにすればいいのではないでしょうか。でないと、手順書はあるのにそれが使われないことになりますよ。 下請負契約者はどのような認定をされていますか。 |
A: | Aランク品納入業者とBランク品納入業者があります。Aランク品は品質が安定しているので業者の自主管理です。Bランク品業者は業者調査表により、調査し、その認定点が所定の得点以上のときは、認定します。 |
審査員: | 下請負契約者認定リストを見せてください。この調査表の質問事項がちょっとわかりずらいですね。もっとわかりやすいものにしては。 |
A: | 当社はこれでいいと思いますが考慮します。 |
審査員: | 設備保守点検の手順を教えてください。 |
A: | 注文書により保全業者に承認印を押しFAXにて依頼します。 |
審査員: | それでは、小型コピー機の保全依頼時の注文書を見せてください。 |
A: | 注文書を見せる。 |
審査員: | 大型コピー機の保全依頼の記録を見せてください。 |
A: | ありません。大型の場合メーカーに再三用紙を作成するように頼んでいるのですが無いとのことです。 |
審査員: | 他の保全、保守と同じように記録を作成してください。それだは保守契約書はありますか。 |
A: | 無いです。機械のメーター数により保全は自動的に行なわれます。 |
審査員: | 契約を結んだらよいのでは。 |
A: | 必要以上に費用が掛かるのはしません。 |
審査員: | 電話にて依頼する場合でも他の機種同様に記録を作成してくだい。 |
以上で1月29日の第2回維持審査は終了しました。不適合は1件でありました(マイナー)。「クレームノート」なしで「不適合品対策書」を記載したことです。観察事項は3件でこれは修正する必要のないものと当社は判断しました。 今回の審査の過程で言葉の問題が2件でました。「及び」「又は」の意味。 「A及びB」は、AとBのセットである。 「A又はB」は、どちらでもよい。 「A及び/又はB」は Aか、Bか、A+Bの3つのどれでもよい。 という使い方です。 もう一つは「設計管理」の意味は外で設計して御社で管理するものですよ。「設計管理」と記載のある組織表から削除した方がいいですよ。との審査員のお言葉。 この件に関して、専門家に質問しました。その回答を示します。 外部で設計しているときは「外注管理」か「購買管理」です。ISO9001の「4.4設計管理」は内部の設計の管理の要求です。 そうですよね、審査員の言葉に従うなら規格「4.4の設計管理」はどのように解釈したらいいのかわからなくなります。それこそ自分の会社で設計が出来なくなります。 デジタルのPDFアクロバットリーダーのバージョンは今いくつか。との質問はまったくISOと関係ない質問であります。最新バージョンを商売として用意をしておりますが、それが顧客にいつも使用されるとは限りません。顧客が古いものしかもっていなかったらそれを使用するしかなしのです。バージョンを知っていることと其れを正確に使えることとは関係ありません。 デジタルの商売をしているのだから、当然こんなことは、知っているよね。こんなご質問は時間の無駄です。質問のための質問は止めてもらいたい。 設計の問題で御社の設計は設計ではないですね。と再三いわれました。既知の事実をいくら積み上げても設計にはならない。御社ではデータベースを作成すると、それは完全に設計になりますとのお言葉。 既知であるか既知でないか、どうして判断するのか、顧客が既知であるか既知でないか、それによって設計であるか設計ないか違ってくるのか。では、データベースがどうして設計になるのか。データベースの詳しい人なら、当社が作成するものは、みんな既知のはずです。それによって、またまた、設計であるなしが決まるのか。どんな研究開発でも、ノーベル賞を取るような発明でも、既知の事実の積み重ねのはずです。ある機械メーカーの設計者に聞いてみると、「新しい物なんかないよ。全部既知のものの積み重ねだよ」といっておりました。ISO9001に該当しないなら、根本的に審査の前に、御社は9001の設計は該当しないので、審査は出来ないと言えばいいのであります。予備審査、本審査、第1回維持審査はその件での問題は全然起きていない。予備審査では審査部長まできて審査しているのに、まったく審査員の整合性などがまったくとられていない。一人一人の審査員がまちまちのことを指摘されたら、審査を受ける方はたまったものではない。 今回は、ちょっと長くなりましたので、このへんで終わります。少し過激でしたか。まだ記載することは、いろいろあります。近日中にのせます。 |