DVDの耐久性その1
このところCDーRの耐久性が問題になっております。数年前から音楽が聞けなくなったとの事例も報告されております。書類や図面をスキャンした後にCDーR、サーバに入れて保存というパターンが普通になっておりますが、CD-Rに「カビ」が発生したとの報告があります。この問題は重大の問題でありますが解決されておりません。以下に日経パソコンに「DVDの耐久性」の特集があり、それを紹介します。DVDとCD-Rは違いますが、基本的に耐久性の問題は共通性があると考え紹介します。対策も同時に考えていきたいと思います。
昨年9月25号の「日経パソコン」に「DVDは百年もつのか」というタイトルで特集がくまれていました。
「メディアの寿命はこうして推定する」
これによると、メディアによっては何十年ともと可能性もあるが、安物だと10年もつかさえ疑問だとある。そもそも、DVDなど光メディアの寿命はどうやって決まるのだろうか。疑問を発しています。
実は、現状でDVDメディアの寿命すなわち「データが読めなくなるまでの期間」を示す明確な数値は存在しないとあります。恐ろしい話ですね。メーカーに聞いても「条件によっては100年以上もつが、標準的な状態では数十年」と歯切れが悪い。業界団体の日本記録メディア工業会が出している指標も「10年以上」とあいまいで、TDKなどもこの数字をなぞっている。標準的な状態ってどのような状態ですかね。実は実態ははっきりしないようです。
メーカーには明確に答えられない理由があようです。最大の要因は寿命を測定する確実な方法がない、技術的に難しい、測定方法に統一性がないということのようです。これではエンドユーザーは困ってしまいます。エンドユーザーだけでなく、業社の間でも混乱が生じております。
DVDメディアの業界団体が中心となり、測定基準を作ろうという動きが活発化しているらしい。財団法人デジタルコンテンツ協会によると寿命測定の研究成果を公表しました。
この報告書にはそのものズバリ、DVDメディアの寿命測定結果が示されています。テストしたメディアは、量販店などで市販されている国内及び海外メーカーのDVD-RちDVD-RW、DVD-RAM、計10種類を測定したようです。
温度25℃・湿度80% |
寿命年 |
DVD-R | 15年~178年 |
DVD-RW | 45年~4万9000年 |
温度30℃・湿度80% | 寿命年 |
DVD-R | 9年~74年 |
DVD-RW | 27年~1万1000年 |
DVD-RAM | 134年~250年 |
最大で4万年、最低で9年であります。ここでは寿命が計測不能だった粗悪メディアは含まれていないということです。実際には、規格上は寿命0年という粗悪な海外メディアもあったとあります。しかしここで最大の問題は保存条件です。ここでは温度、湿度だけしか設定されておりませんが、他の条件紫外線の有無、など最も重要な要素が欠けております。私も若いころ「カラーの変退色」の研究を少しだけやりましたが、保存条件によってはものすごい差が出てきてしまいます。まして「カビ」の問題など条件によて数年はおろか数ヶ月でメディアが機能しなくなるのが予想されます。
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