DVDの耐久性その3

cd001.jpg書類・図面などを大変な費用をかけてスキャンしたものが何らかの理由によって見られなくなってしまうという事態が発生しております。書類・図面をデジタル化した後の保存期間の信憑性をDVDを通して考察します。(日経パソコンより)

スウェーデンの科学者アレニウスが考案した「物質に科学反応が起きる速度は温度に依存する」という法則があります。

DVDの寿命を測定するとPIエラーが280を達するまでの時間の対数、横軸には温度をケルビンに直した逆数を取ます。このグラフから85℃、80℃、75℃、65℃に記入した点が直線的に並んでいます。この直線を延ばしていくと30℃あるいは25℃の寿命が読み取れます。この例になろうと寿命予測値は温度30℃で約65万時間(74年)、25℃で156万時間(178年)となります。

各社の寿命予測にもこれが使われています。ただ、温度区分など細かい計測基準に統一性がありません。アレニウス法には弱点もあります。温度が低くなると寿命がケタ違いに増えるため、わずかな測定誤差で寿命が10年、100年の単位でブレます。「45~49000年」などと推定寿命のレンジが広い理由となります。

DVDの寿命予測が、DCAjの測定方法が本命と決まったわけではありません。改善の余地がまだまだありそうです。例えばメディア基盤に使われているポりカーバネイトの吸水性についても業界の意見はわかれています。

理想のDVDメディアを目指して自ら製品を開発、販売している理学博士の森康裕氏は空気中の水分のことに言及されています。次回はこの理学博士の森康裕氏のDVD製品をご紹介します。完全なるDVDです。

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