ドキュメントイメージスキャナQ&A 第2回
月刊 IM(Journal of Image& Information Management) 2002年2月号( 第41巻 第2号)21頁に掲載されたものを許可を得て転載したものです。http://www.jiima.or.jp |
ドキュメントイメージスキャナQ&A 町田政彦 キヤノン電子(株) |
<第2回> |
Qドキュメントイメージスキャナには、安いものは10万円台のものから、高いものは1千万円を超えるものまであります。スキャナを選ぶ時、どのようなポイントをチェックしたら良いのか教えて下さい。 |
A他の機器と同様スキャナも、必要な機能を満たしていないものを購入すれば作業に支障を来たします。必要以上に高性能のものを購入すれば、それは単なる無駄になります。では、数多いスキャナからふさわしいものを選ぶ際の主なポイントをご説明します。 スキャニング(読取)スピード:スキャナの仕様でまず注目されるのはスキャニングスピードです。スキャニングスピードは用紙サイズ、用紙の送り方向(縦か横か)、読取解像力、読取モード、(白黒二値、グレースケール、カラー等)等で変わってきます。比較する時はこれらの条件を同じにする必要があります。ちなみにこの業界では、A4サイズの原稿の片面を、白黒二値、200dpiの解像力で縦に読み込む時のスピードで「このスキャナは〇×枚機」といった表現をしています。 デューティーサイクル:次にデューティーサイクルと呼ばれる想定スキャン枚数です。これはスキャナの耐久性と同義語になります。複写機と同様にスキャニングスピード(複写機の場合はコピースピード)の速いものほど耐久性が高くなっています。一般的にローエンド機で一日に数百枚~3,000枚程度、ミッドエンド機で5,000~10,000枚程度、ハイエンド機で10,000枚以上のスキャンが可能です。 解像力:ドキュメントイメージスキャナと呼ばれる高速スキャナは、通常200から400dpi程度の解像力で使用されます。解像力が高いほど画像はきれいになりまが、その分速度が低下して生産性が低下して生産性を落とし、ファイルサイズが大きくなってストレージコストを高めてしまいます。OCRをかける場合でも上記の解像力で普通は問題ありません。ただ、最近解像力をうたったものもありますり、最高解像力600dpi、800dpiといったものも多数あります。 紙サイズ:A4サイズまで読み取れるもの、B4サイズまでのもの、A3サイズまでのものが一般的です。当然スキャンする紙サイズに応じて必要なものを選択します。但し、A4サイズしかスキャンしない場合でも、A3対応のものはA4サイズの紙を横送りでスキャンできるために読み取る枚数が増え、生産性が上がります。
フィーダー容量:フィーダーの容量も50枚程度のものから1,000枚程度、あるいはそれ以上と様々です。1,000枚の紙を一度にセットするのと、100枚毎に10回に分けてセットするのでは、処理時間に差が出るのは明らかですね。一般的にはスキャニングスピード、デューティーサイクルと同様、スキャニングボリュームに応じて判断します。 画像タイプ:白黒二値でしか読み取れないもの、グレースケールも可能なもの、あるいはカラー画像も取れるものもあります。 読取面:最近は両面をワンパスで読み取れるのもが主流になりつつありますが、片面専用機、あるいは一度表面を読んでから裏面を読むものもあります。 形式:ここではフラットベッドタイプとシートフィードタイプに分けます。フラッドベッドタイプの長所は、オートフィーダーを通せないような厚い紙(ブック物も含む)、薄い紙でも読み取れることです。一方、シートフィードタイプの長所はスキャナ自体のコンパクトさです。 以上、主な点を説明してましりましたが、他にも画像処理機能、操作性、エルゴノミクス、更にインプリンター、エンドーサー等のオプションの有無を考慮し、予算と相談しながらふさわしいスキャナを選択して下さい。 |